山田悠介「リアル鬼ごっこ」

 括目せよ! 山田悠介がミステリ界、いや文壇に革命を起こすのを!
 乱歩の怪奇、久作の妖美、風太郎のエンターテイメント、泡坂のトリック、連城の文章力! それら全てを兼ね備え、凌駕し、奇跡的なバランスにおいて同時に成立させる腕力、筆力。独創的でSF読みも思わず唸らされる高度かつ緻密な設定、ミステリ読みを感嘆させる結末、ロジック、伏線の妙!
 同時代に生まれたものとして、これほどの才能をリアルタイムで体感できることの素晴らしさよ! 
 「これは地雷小説だ!」
 「こんな本が売れるなんて末期的だ!」
 この鉄格子のはまった窓の外側にいる愚者は口を揃えて言うだろう。それは自分が持ち得ない才能に嫉妬する心からくる浅はかさからである。理解できないものを評価する力を持たぬ不勉強さがゆえである! ・・・この小説を真に評価するに値するのはリノリウムの匂いがする廊下を抜け、この部屋でミステリを朝から晩まで読みふけり、既読一万冊以上、この私以外にはいないであろう・・・。
 括目せよ! 山田悠介が革命を起こすのを! 
 括目せよ! 山田悠介が豪華に豪華に革命を起こすのを!