マックス・アフォード「魔法人形」

 怪しい館、悪魔学の博士、死を予告する不気味な人形、とオカルティズム満載で怪しげな雰囲気の漂うミステリかと思いきや、まっとうな本格ミステリという印象です。ただ、それらの小道具が思ったほど怪しい雰囲気作りに活かされていない気もします。
 本作に登場する名探偵のジェフリー・ブラックバーンには「お前、言ってることとやってることが違わないか?」という、ちょっとツッコミたい部分があるんですが、それは置いといて、大活躍の割にはイマイチ印象に残らないといういうか、アクというかクドさがもう一つ足りない気がします。
 でも登場人物といい、張り巡らされた伏線といい、僕がイメージとして持っている「これぞ海外古典」な一冊でした。