時雨沢恵一「キノの旅」

 それぞれの話に込められた寓意をシンプルにしてわかりやすくしている、と取るか、青臭いと取るかで評価が変わりそうな気がします。牧歌的でありながら廃頽としている世界観は好きなんですが、完全無欠の冷めた主人公よりは熱血馬鹿の方が好きなもんであまりキノに感情移入はできませんでした。
 多分、10年前ならどっぷりハマッていたと思うのですけど。