山田正紀「天正マクベス」

 シェークスピアが日本に訪れており、マクベスや夏の世の夢といった戯曲が実は日本で起こったことを基に書かれていたという設定の伝奇ミステリ。
 試みは凄いなー、と感心しながらも僕個人の意見ですが、今一つという印象が拭えなかったです。トリックもその時代ならではという部分が上手いですし、最後のマクベスでは伏線が上手く効いていて綺麗に落ちているとは思うのですが、正直言って僕はあまり乗れなかったです。後半がどうしてもバタバタしているように感じてしまいました。シャグスペアことシェークスピアこそ最重要人物だと思うのですが、完全に脇役になってましたし。でも、こういう設定で話を書けるのは素直に凄いと思います。