小林まこと「格闘探偵団」

 小林まことの「格闘探偵団」が面白すぎます。ただ、プロレス漫画の「1,2の三四郎」シリーズを読んでいないと面白さは半減するような気もしますが。本作は、

 プロレス界を干されていたプロレスラー東三四郎は、プロレス団体「ドリームプロレス」の自主興行を目指すための資金稼ぎのため、何故か探偵を始めることに。ある日、行方不明者の捜索願いを受けて、ようやく探し当てたマンションへ行って見ると、尋ね人が殺害されており、三四郎が容疑者として逮捕されてしまう。

 といった話です。作中でも現実世界と同じく、格闘技ブームに押されてプロレス界はかなり苦しいようですが、作者のプロレス愛が色んなところに見えて大好きです。「プロレスって八百長でしょ?」と一般人に言われたり、「頁二、サップに8秒で失神KO!」とレスラーがサップに秒殺されたり、「乱闘ならお客さんの前でやって〜、もったいないでしょ」とまるで年内に潰れると言われているどこかの団体のような一コマがあったりと。W○だけは勘弁して下さい。あ、一応ミステリとしても充分楽しめると思います、というか、この作者はこういう話書けるのだなということで少し驚きです。
 しかし猪木の顔をこんなに阿呆っぽく描いた漫画がかつてあっただろうか? というくらい阿呆っぽく描かれてて、ちょっと受けました。プロレス漫画だと「アグネス仮面」も好きなんですが、作者のファンタジーが入りすぎて、もうひとつというところでしょうか。小林まことの描くプロレス漫画の方が好きです。