米澤穂信「愚者のエンドロール」

 前作「氷菓」を読んでから1年以上経ってしまっていたので、前作の内容をほのめかす部分が少しわからなかったのですが、面白かったです。
 この作者は本当に本格ミステリが好きなのだな、ということが文章の端々から滲み出ていて好印象です。一般人からすると、サスペンスやホラーも含んだものになる「ミステリー」という言葉と、ミステリ好きのいわゆる「ミステリおたく」が想像する「ミステリ」という言葉では、意味合いが大きく異なるところなんてのは、「うんうん」と読みながら頷いてしまいました。*1またそれらが真相に対して上手く効いてます。
 しかし、登場する高校生たちの考え方や行動原理が清潔すぎて僕の目には眩しかったですね……。

*1:ネタバレには直結しないとは思いますが、ちょっとまずいかなと思ったので一応見えないようにします。