「あなたにとってはこうした方が良くなりますよ」と言ってみても、伝え方がまずいとただの迷惑になる。それが理論的に正しくたって幼稚園児を相手にしたら幼稚園児にわかる伝え方をしないと理解してはくれない。
 そういうときに「相手が馬鹿だから理解してくれない」と言うのは簡単だけど、何で伝わらなかったのかを考えてみると、伝え方が良くなかったことに気づく。そうしたら、上手く伝えるためにはどうしたらよいのかを考えて、別の言葉で伝えないといけない。
 それでも駄目ならまた別の方法を考えないと。
 多分、大部分が上手くいかないし、たとえ相手が理解した気になってもこちらの考えを半分も理解していないかもしれない。それでも本当に相手に伝えたいことがあるのならば、相手のことを受け入れて対話しないといけないんだなと、シオドア・スタージョンの「時間のかかる彫刻」を読んで思った。