北山猛邦「アリス・ミラー城殺人事件」

 探偵だらけのクローズドサークルっていうのはワクワクしますが、どうしても不自然な設定になってしまいますね。作者が物理トリックに対して愛着あるのだなということは伝わってきました。実際、バラバラ死体のところは面白かったです。
 最後の方でまる投げは無いだろうとは思ってましたが、あの犯人は正直どうかなとは思います。犯人の動機に関しても、他にいくらでも代用できるように思うのですが……。わざわざ酸性化した土壌を中和させるために人をバラバラして使う必要があるのかという点がひっかかりました。探偵たちが島にやってきたそもそもの動機であるアリス・ミラーが結局最後までわからないですし。